身体に栄養を運ぶ脾のおはなし(東洋医学の基礎編⑥)
*- …-* こんばんは。月の子です。 *- …-*
今夜は栄養を身体に運んでくれるとても大事な脾のお話です。
脾とは
胃で消化された後天の本(こうてんのもと)を取り込み、気血水の元として心と肺に運びます。
脾の働き
胃の作用を助ける(胃の作用補助)
飲食物(水穀の精微)の栄養を肺に運ぶ(運化作用)
小腸から胃より上の内臓や栄養を上へを持ち上げる(昇清作用)
血が脈外に溢れるのを防ぐ作用。脾が弱ると出血しやすくなると言われている(統血作用)
胃と小腸を調整する働き
味覚を感じる。味覚に不調があると脾の治療が中心になる
東洋医学の胃の働き
飲食物を受け入れる(受納)
飲食物を胃に留めて食糜(おかゆのような状態)に消化する(腐熟)
食糜を小腸に送る(和降)
脾は胃や小腸のことだけをさしているわけではありません。
東洋医学の胃もそうですが、小腸・大腸・膀胱など六腑の働きは西洋医学とそこまで変わらないため割愛します。
西洋医学の胃腸の働き
胃
摂取した飲食物を溜める⇨500mlから700mlの胃液(粘膜と塩酸とペプシン)を使って飲食物を消化する⇨ゆっくり十二指腸に送る
十二指腸、小腸
消化液(アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、マルターゼ)を使って栄養を吸収しやすい形にする⇨栄養を吸収する⇨小腸から血液やリンパに栄養が送られる。
大腸
水分を吸収する⇨排泄物を作る
腸内細菌について
腸管内の善玉菌と日和見菌(日和見菌は数が多い方に味方するため、善玉菌の数を増やすことが大事。)は整腸作用(下痢や便秘にならないようにする)、免疫調節作用(アレルギー緩和、抗炎症作用)、動脈硬化の予防効果、抗腫瘍作用(がん予防)などの働きをする。
○乳酸菌⇨糖を発酵して大量の乳酸を作る細菌のこと
○ビフィズス菌⇨乳酸と酢酸を腸管内で生産して調整作用や悪玉菌による炎症を抑える抗炎症作用、脂質代謝改善効果がある。
ビフィズス菌を増やすには、野菜や果物に含まれるオリゴ糖をこまめに取ること。
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脾の不調
全身の倦怠感、手足のだるさ、腹部の不快感、慢性下痢、げっぷ、食欲不振、口の渇き、涎が溢れる(脾気虚)
脾気虚の病態が進んだ状態。腹部の冷え、下痢、皮膚や顔色が蒼白状態になる。膨満感などの消化器系の症状(脾陽虚)
胃が飲食物を受け付けない。吐き気や嘔吐。湿熱が体の中に溜まって身体や四肢がだるい。(脾胃湿熱)
昇清作用が衰えると胃下垂や脱肛、慢性下痢など、統血作用が低下すると血便、血尿、皮下出血、月経過多などの症状が出る。また、考えすぎは脾を傷める。
脾の不調の予防
食べ過ぎ、飲み過ぎを控える
消化に悪いものの食べ過ぎを控える(お肉など)
お酒を控える
ストレスを溜めない
よく咀嚼して食べる(顎関節症の人、歯が弱っている人は柔らかくして食べる。)
冷たい飲食物を控える
脾と胃に良い食べもの
お米・芋類・キャベツ・大根・にんじん・白菜・とうもろこし・れんこん・鶏肉・あじ・りんご・海藻類など 消化するときに胃腸に負担をかけないもの。食べる量が少ないと胃腸が動きません。野菜の量を増やすのがおすすめです。食べる前に温かい物を飲食すると胃腸が温まり、消化を助けます。
脾の不調が自分のことのようで調べていてつらかったです…気をつけましょう。。
*- …-*それでは、よいゆめを。*- …-*